印刷会社としてできること~東日本大震災に関連して

3月11日に起こった「東日本大震災」は、その被害の規模や内容(原発事故の発生)などから言っても戦後の日本における最大の災害であり、戦後日本の最大の危機と言っても過言ではありません。

まずは犠牲になられた方々へ、心からの哀悼の意を捧げるとともに、被害にあわれた被災地の皆様へお見舞いを申し上げます。

今は市民としてだけでなく、一企業としても何ができるか真剣に考えないといけません。
すぐに思いつくのは義援金の拠出、献血への協力、ボランティアの派遣、節電などです。義援金については、関係するお客様や所属する団体などが募集をしているので、それらを通じて行うことになります。献血も血液には使用期限があるため、継続的な協力が必要です。ボランティアの派遣は慎重に判断しないといけません。被災地の受入体制がないまま「おしかけボランティア」にいくことは、被災地に取っては迷惑そのものです。これは阪神・淡路大震災のときの教訓です。ただでさえ少ない支援物資を「ボランティア」の人にも分けあたえねばならず、必要な人に物資が行き渡らないなどの事も生じかねません。これも関係するお客様や所属団体の要請を待って、ボランティアの派遣に応じるということが重要だと思います。阪神・淡路大震災の時も要請に応じてボランティアを派遣しました。炊き出し用の大きな鍋なども確保しています。

節電についても、当社が電力供給を受けている中部電力と、東京電力では周波数が違うため、提供できる電力量には限りがあり、現状では中部電力は通常の電力供給を行いながらも提供できるということで、中部電力管内での節電が被災地の電力供給への貢献には直結しないんだそうです。
ただ節電すれば、それだけ火力発電所などでの石油の消費が減り、その分被災地に電力を供給する電力会社に回りやすくなるというのはあるかもしれませんが、それはそんなに大きな効果もないようです。

会社としては休み明けの14日の朝一番で「経営会議」を開いて「対策本部」を設けました。
この対策本部で決めたことは、まず被災地方面への物流の状況を正確に把握し、適切な物流を実行することです。適切さを欠いた物流を行えば、それは支援物資などの物流に影響を与えます。届くのか届かないのか、今緊急に届ける必要のあるものなのかどうか、それらをお客様とも相談の上判断しないといけません。すでに一部の発送物を当社で保管するように指示のあったお客様もいます。こうした情報を自ら集め、お客様に提供して適切な物流を組織することがまず求められます。

次に緊急の要請に対する対応です。当社のお客様は全国的な団体もあり、全国的に支援活動を組織されるところも少なくありません。こうしたお客様より支援活動に必要な資材や印刷物を、緊急に要請されることもあります。こうした要請があったときに、快く進んでお受けできるような対応と体制を確保することを確認しました。
細かい話ですが、ある医療系の全国団体様のお客様は、こうした災害時には医療ボランティアを組織されたり、全国からの支援物資を組織されるのですが、それに関連する情報提供の一つの柱はウェブサイトです。実はこうしたこともあろうかと、ウェブサイトにはCMSを組み込んで、お客様自身ですぐに更新できるようにしていたのですが、更新の担当者が交通機関の影響や、お子さんの保育園が休園になっていることから出勤できなくなってしまいました。そこで本部から当社に原稿を送ってもらい、こちらで更新することになりました。原稿をもらったら遅くても1時間以内には更新し、仮に当社の営業時間外で、当社の担当者が帰宅したあとでも自宅から対応できるような体制を取っています。

もう一つは、当社の生産に必要な資材の確保です。要請に応えようにも資材がないと生産ができません。用紙や刷版など、すでに意識的な確保を行わないと確保が難しいものもあり、こうした点での対策も強めることとしました。

一企業としてできることは小さいことばかりですが、自分たちにできうることは何かを常に考え、業務にあたっていきたいと思います。

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