切削工具の専門商社である朝日株式会社様より、在庫をネット上で公開し共有できる仕組みを作って欲しいというオーダーがありました。
在庫の確認を簡単にしたい
ネットで在庫がわかるようにしたいというのには理由がありました。商品の在庫は会社にある商品管理システムでわかるのですが、それはネットでアクセスできるようになっていません。お客様や営業マンは在庫の有無について電話やメールで問い合わせるしかなく、それに対応するだけで1日が終わってしまうこともあるなど社員の方も大変だということがあり、問い合わせなくても在庫が確認できるようにしたいということだったのです。
ただメインの商品管理システムは、直接ネット上にある仕組みに連携させることができないため、1日に何回か商品管理システムから在庫データを書き出し、それをネット上にある仕組みに読み込ませるというようにせざるを得ませんでした。
要望がいろいろ変わっていったため、開発がちょっと暗礁に乗り上げかけましたが、いろいろ試行錯誤するうちに、かつてWordPressをベースに開発した校正管理システムが転用できそうということがわかりました。
そこで商品管理システムから書き出された在庫データをネット上の在庫管理システムに読み込ませるための処理をするプログラム作る人と、読み込んだデータを表示する仕組みを担当する人で分担したことで一気に進みました。
6千件ある商品情報の更新が鍵
WordPressをベースに開発をすすめましたが、問題となったのは6,000件ほどある商品情報の更新です。
毎回6,000件ほどある情報を一個づつ上書きするというのでは時間がかかるので、一度全部削除してしまい、空になったシステムに新規に6,000件ほどの情報を読み込む方が速いと思われました。
しかし実際は、6,000件の情報を一個づつ消すのに時間がかかってしまい、解決方法を模索していましたが、商品データのデータベースを空のデータベースで上書きすることで一瞬で削除可能という解決策を思いつきました(WordPressのバックアップとリストアの仕組みを応用しています)。
これで数分かかっていた商品在庫のデータの更新が、数十秒で可能になりました。
「デジタル倉庫」の名前で公開
こうして「デジタル倉庫」という名前で公開されることになりました。
スマホでの表示も最適化させたことで、出先の営業さんも、すぐに手元で在庫が確認できて助かっているようです。
「何百万もかかったんじゃ?」
社長さんにも喜んでいただけ、いろんな会合などで「スマホで見せて自慢して回っている」とおっしゃっています。「デジタル在庫」を見た人からは、「これ何百万もかかったんじゃないですか?」とも言われたそうで、実際にはそんなにはかかっておらず、そこも社長さんは自慢なようです。