アクセス解析のススメ

せっかくwebサイトを運営しているならたくさんの人に見てもらいたいし、ショッピングサイトだったらたくさん売りたいし、引き合いが欲しいならお問い合わせメールがいっぱい来るといいですよね。

「今日はお客さんが少なかった。雨だったから?」
「お客が少なかったのは、安売りしたあのお店にお客がながれたのかな?」
「予想外にクマのぬいぐるみが売れた、なぜだろう?」など、

リアルなお店を運営している場合、目の前の状況を判断して、売れている理由・売れていない理由を考えられると思います。
しかしWebサイトの場合、サイトを眺めていても何も見えませんし、変わりません。勘でサイトをいじってみても、うまくいかないでしょう(たまたま、いい結果になるかもしれませんが)。

そこで登場するのが「アクセス解析」です。
アクセス解析というと難しい感じがします(特に‘解析’という言葉)が、サイトの現状を見てみるって考えると難しくなさそうです。

アクセス解析では、以下のようなことがわかります。

●セッション数(サイトを訪問したのべ人数)
●ページビュー数(総ページビュー数、各ページのページビュー数)
●どんな検索キーワードで検索したのか
●その人は新規訪問なのかリピーターなのか
●最初に見たページ、最後に見たページ
●どのページから、どのページへ移動したのか
●サイト滞在時間
●直帰率(1ページだけ見てサイトから去った率)
●コンバージョン数、コンバージョンにいたる経緯
※コンバージョン・・・訪問者におこなってもらいたい最終的な目的。お問い合わせ、資料請求など

これだけわかると、リアルな店舗と同じように、訪問者の姿が見えてきます。
「この検索キーワードで訪れて、このページと、あのページを見て、コンバージョンした」
「このキーワードで訪問する人は直帰率が高いなぁ」
「このページに来ると、次のページへ行く率が高い」

このように訪問者の姿が見えるてくると
「どうしてそういう行動をするのか、なぜこちらがしてほしい行動をしてくれないのか」
その理由を考えることができるようになり、
「このキーワードで訪れる人が多いから、もっとこういう内容を充実させてみよう」
「ここにリンクボタンを配置すれば、次ページへの誘導が増えるんじゃないか」
「このボタンのコピーを、こういうふうに変えてみよう」と、
対策を講じることができるようになります。

現状がわからなければ対策を講じようにも何をしていいのかわかりませんから、アクセス解析で現状を把握することは、サイト改善の第一歩ですね。
では、弊社がどのようにアクセス解析をサイト改善に役立てているのか、ご紹介します。弊社では解析ツールとして「GoogleAnalytics」を使用しています。無料で非常に高機能なツールですので助かっています。

1.メールフォームの確認画面の修正
(1)現状
弊社のメールフォームは 1.入力ページで入力して 2.確認ページで入力内容を確認したら送信ボタンをクリック 3.送信完了ページを表示 という流れなのですが、確認ページで半数近くの人がページから去ってしまっていました。
(2)仮説
さっそく確認ページを見てみると、確認ページであるということがわかりにくく、送信が完了したものと勘違いされているのではないかと思いました。そこで、「ここは確認ページであって、最終的な送信ボタンを押してくださいね」ということがわかりやすくなれば、送信数は増えるという仮説を設定しました。
(3)施策
mailform

(4)検証
施策の結果、確認ページから去ってしまう人は無くなりました。やはり、送信がまだ完了していないということが、わかりにくかったのだと思います。

2.トップページデザインの改善
(1)現状
弊社のサイトは「タブロイド印刷」「オンデマンド印刷」「アンケートサービス」に関して検索で訪れる人が多い。また、トップページを入口にする人が全体の30%で、直帰率は50%以上。このトップページの直帰率を下げられないかという問題意識がありました。
(2)仮説
トップページに、メインサービスとして「タブロイド印刷」「オンデマンド印刷」「アンケートサービス」の大きなボタンを配置しているが、クリックできるということがわかりにくいのではないか。ボタンを含め、トップページのデザインをリニューアルすることでボタンのクリック率を上げることで直帰率を下げることができるのではないか。
(3)施策
toppage
(4)検証
トップページ直帰率は、5ポイント以上下がりました。次のページへと誘導するトップページの力がアップしたと言えそうです。リニューアル当初は予想しなかったことなのですが、グローバルメニューの「サービス一覧」「会社概要」「スタッフ募集」が、よくクリックされています。また、右上のフリーコールが目立つのでしょうか、フリーコールでのお問い合わせが増えました。

3.専用メールフォームの作成
(1)現状
各サービスのページに設置されている「メールはこちらから」をクリックして、全サービス共通のお問い合わせフォームに移動し、問い合わせ内容を入力する。
(2)仮説
各サービスのページに入力欄があれば、すぐお問い合わせできるので、お問い合わせ件数が増えるのではないだろうか。いちいち、お問い合わせページに移動しなくていいのだから。
(3)施策
「タブロイド印刷」「オンデマンド印刷」「アンケートサービス」の3サービスについて、各ページに専用メールフォームを埋め込みました。
(4)検証
専用フォームの利用率は、約50%。予想していたよりも少ないというのが実感です。専用フォームなので、そのサービスに特化した内容を書いていただけるように項目を設定しているのですが、そこまでは書きたくないのかもしれません。どこまでの内容を書いていただくのか、今後の課題です。
お問い合わせの総数は、わずかですが増加傾向にありますで、その意味では成功したのかなと思っています。

最後に
現状どうなっているのかを把握すること。一方、サイトを通して何を実現したいのか(サイトの目的)がハッキリしていれば、現状から出発してサイトをどのように改善していけばよいのかが、見えてくると思います。
サイトをながめていても何も変わりません。まずは、現状を把握してみてはいかがでしょう。そこから見えてくるものが、きっとあると思いますよ。

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