ビジネスドキュメントの電子書籍(EPUB)化

EPUB(イーパブ)という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
これは巷で話題の電子書籍の規格のひとつです。米国の電子書籍の標準化団体の1つである国際電子出版フォーラムが策定し、規格の内容は一般に公開されています。
海外では電子書籍の規格の中でも普及しているもので、AppleのiBooksなどもこの規格を採用しています。日本で販売されているiPhoneやiPad、Android搭載のスマートフォンやタブレット端末でも対応するアプリをインストールすればよく、電子書籍専用端末でも対応しているものが多い規格です。

ただ日本では、電子書籍の普及が遅れています。年内にAmazonが日本での電子書籍と端末(Kindleシリーズ)を販売を開始すると言っていますが、本格的な普及にはまだ少し時間がかかるという見方が強いように思います。

とりあえず出版社が発行する電子書籍を購入し、スマートフォンやタブレット端末、電子書籍専用端末で読むというのは少し先になるかもしれませんが、EPUBという規格で作成された電子書籍は対応端末が多いだけに、ビジネスドキュメントをEPUB化して活用するということは、すぐにでもやろうとしてもできるのではないかと思います。

現在は企業や団体の中で、ビジネスドキュメントはワードやエクセルの形式のファイルだったり、PDFだったりすることが多いと思います。特にPDFは表示たいていのスマートフォンやタブレット端末、電子書籍専用端末で表示ができるので、持ち運んで利用したいビジネスドキュメント(マニュアルとか説明書とか)はPDFで作成されていることが多いように思います。
しかしPDF書き出しソフトは、「電子の紙」と言われるようにレイアウトが固定されていますので、画面が小さいスマートフォンなどでは、読むためにいったんズームし、また別の部分を読むためにいったんズームアウトして、再び該当箇所をズームするという作業の繰り返しになります。
文字の多いビジネスドキュメントであった場合、この拡大したり縮小したりというのが結構手間となり、集中力自体を欠いてしまう場合もあると思います。
その点、EPUBであれば文字サイズの変更を行っても、画面にあわせて1行の文字数を自動で調整してくれますから、そのまま読み進めることが可能になります。
ビジネスドキュメントの内容にもよると思うのですが、PDFが向いているものもあれば、EPUBが向いているものもあると思います。

PDFは無料の書き出しソフトがあったりするので、簡単に作成できることがメリットです。
最近は、ワードの文章をEPUBに書き出すことのできる無料ツールが公開されました。
●Smart ePubフリー版
http://www.openend.co.jp/productsinfo/Smartepub-free/smartepubfree01.html
これを使えばワードで作ってあった文章も、比較的簡単にEPUB化することができます。

スマートフォンやタブレット端末自体をビジネスに活用する企業や団体も増えており、こうした端末を活用するひとつのメリットとして、ビジネスドキュメントのEPUB化に挑戦してみるのもよいのではないかと思います。

Get Adobe Flash player