文字間を読む ~ テキストマイニングのすすめ

「自由記述欄に書かれたことから、なにかの傾向をつかむことはできないでしょうか。」

など、アンケートの集計・分析のご相談の際、自由記述欄の活用についてご相談を受けることが増えてきました。実際には、自由記述欄に書かれていることを分析するには、すべてテキスト化する必要があるため、予算の制約などで、ご依頼を受けて分析を行ったことはありませんが、ご相談の際の見本として活用できないかと、試してみた事例がありますのでご紹介します。

今回ご紹介するのは、コンセプトマッピングという手法で、分析対象のテキストを単語単位に分解し、つながりの深い単語を結びつけたものを作成することで、事柄と事柄の関係を見て取れるようにしたものです。
このコンセプトマッピングは、専用のソフトを用いて作成することになります。

言葉で説明するとややこしいので、実例を見ていただいたほうがいいと思います。

このマッピングの前提としては次のようなことがルールとなっています。
●一つの文章の中で一緒に使われている単語は、関連性があるものとして扱います。
●その関連性がたくさんの文章の中で使われているほど、その組み合わせのつながりは強いものとして理解します。

そして、つながりのある単語間を線でつなぎ、つながりの強さ(度合い)をつなぐ線の太さで表して、見た目でとらえやすくしたものがこれ(クリックすると大きな画像が見られます)。


こうしてみると「待ち時間」と「親切」という言葉がキーワードとなっていることがわかります。

「待ち時間」という言葉からは、太く「長い」という言葉につながり、その先の「過ぎる」「時間」へのつながりが見えており、どうやら「待ち時間が長すぎる」という事象があることが想像されます。また「薬」「診察」「会計」「改善」といった言葉がつながっていて、改善につながるものがそこにはあるような感じがしてきます。

一方「親切」につながる言葉は「先生」「職員」「受付」といった職員の対応にかかわる言葉と、「安心」「良い」といったプラスイメージの評価がつながってきています。
どうやら「親切」は、プラスイメージに結びついていることが浮かび上がってきます。
これらの傾向と、選択式の回答で得た傾向とを重ね合わせることで、選択式回答から見えてくる傾向に厚みが出たり、確かな裏付けが出てきたりするものと思います。選択式回答の分析に加えて、テキストマイニングによる自由記述欄の分析を行うことを、お勧めします。

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